音楽監督・常任指揮者＝古橋富士雄

東京トルヴェールは1966年「東京放送児童合唱団」の卒団生有志によって設立。1970 年1回目の演奏会を開きその興奮さめやらぬ11月、第23回全日本合唱コンクールで最も白熱戦を演じた一般の部で金賞を獲得、併せて総合第1位カワイ賞受賞し、華々しい合唱界へのデビューとなった。

その後1974年から2003年まで母体の東京放送児童合唱団に吸収され、「東京放送児童合唱団シニア」として活動したため、「東京トルヴェール」は合唱界で幻の合唱団として伝えられていた。

2003年9月「東京放送児童合唱団」は「NHK東京児童合唱団」と改名し2004年7月「東京トルヴェール」は40名のメンバーにより独立。新しい「トルヴェール」として蘇り、再び合唱界に向けて新たな出発をした。

再編して1年たらずではあるが、2005年5月、フランス「ナンシー国際合唱フェスティバル」に招聘され、17ヶ国の合唱団と共演し大成功を納めた。

東京トルヴェールの前身「NHK東京児童合唱団」は、50年以上の歴史を持ち、NHKの教育番組と子供番組の充実を目的に設立された。主としてラジオ、テレビ番組に出演しているが、毎年意欲的なプログラムで行われる定期演奏会、来日する海外の合唱団との交流、NHK交響楽団をはじめ各オーケストラとの共演、オペラへの出演、ヨーロッパ演奏旅行等、意欲的に活動する一方、1968年BBC世界アマチュア合唱コンクールを皮切りに数多くの国際コンクール受賞の他、1985年「第20回モービル児童文化賞」。 2000年優秀な合唱団に送られる「花とライオン」。2003年「日本童謡文化賞」を受賞。その他、「天皇陛下御在位60年記念演奏（昭和天皇）」「天皇陛下御在位10年記念演奏（今上天皇）」等にも出演し、日本の音楽界にはなくてはならない存在になっている。この合唱団で11年間歌ってきた仲間達が「東京トルヴェール」を結成した。

『河は流れ、緑あざやかな北フランスのとある館で、パラソルを広げて涼む貴婦人を前に、切々たる音楽を奏でた吟遊詩人たちはトルヴェールと呼ばれた。12世紀半ばのことである。今21世紀、東京で新たな産声を上げ、彼等の”心”を受け継いで、一人ひとりがソリストである現代のトルヴェールたらんと大はりきりのN児娘たち』それが”東京トルヴェール”である。